作品について。
今回は川口俊和さんのコーヒーが冷めないうちにをご紹介したいと思います。
本作品はもともと舞台用の脚本だったようで、舞台を見にきた編集者が感動して小説化に至ったらしいです(Wiki参照)
本作品は現在全四作品あり、「コーヒーが冷めないうちに」がシリーズ第一作目となっております。
実は数年前……本屋さんで面白そうと手に取って第二作を読了しておりました。
全四作品が既に本棚に揃っているので、今回一作目から読みはじめました。
特定の席に座ると過去の好きな時期に戻れるという都市伝説がある喫茶店を舞台にした物語です。
経歴の暴力。こんなの好きになるに決まってる。
今回僕が紹介したい推しは第一話『恋人』で登場する清川二美子ちゃん。
まずは二美子ちゃんの経歴や性格が紹介されている部分をご覧ください。
二美子は高校生の時に独学で六か国語をマスターし、早稲田大学を主席で卒業すると、都内の医療系大手IT会社に入社。二年目にはチーフとして多くのプロジェクトを任されるようになった。いわゆるバリバリのキャリアウーマンというやつである。
(中略)
才色兼備とはまさに二美子のような女性の事をいうのであろう。ただし、それを二美子自身が自覚しているかどうかは別である。
そんな二美子は仕事一筋で生きてきた。もちろん、これまでにも恋愛をした事がないわけではない。仕事ほどには魅力を感じなかった、それだけである。それほど、二美子は今の仕事に満足していた。
「仕事が恋人」
そういって、何人もの男性の誘いを塵を払うがごとく断ってきた。
キャ、、キャリアウーマン!!!!!!僕が大好きキャリウーじゃん!!!
僕自身仕事が大好きで毎日楽しく働いています。働いているとさまざまな人に出会いますよね。
不平不満を口にしながら惰性で働く人や、仕事に興味がなくてなんとなく毎日の仕事をこなしている人。ニコニコ笑顔で働いている人、追い込まれて必死に仕事をしている人。
もちろん仕事への価値観はさまざまで、そこに優劣は存在しないと思っています。
ですが見てて気持ちいいのは、仕事が楽しい!大好き!と生き生きと働く人。
僕自身も毎日楽しく仕事をしているので、そんな二美子ちゃんは価値観が一緒であると知ってすぐに恋と言う名の落とし穴に大転落!!!
可愛いとかっこいいの二刀流!キャリアウーマン界の大谷翔平!
キャリアウーマンってやっぱりかっこいいイメージ。
そのイメージにふさわしい二美子ちゃんのシーンはたくさん!
今回僕のキャリアウーマンアンテナが一番大きく反応したイケメンシーンをご紹介します。
二美子ちゃんはデートの待ち合わせでクソダル男どもにナンパされます。ほんっまにナンパとかクソダルですわ。僕の二美子ちゃんに気安く声をかけないでほしい視界に入らないでほしい同じ空気を吸わないでほしい。
二美子ちゃんにとってはナンパされることなんて日常茶飯事なんですが、ちょどそこに現れた二美子ちゃんが片思いしている男性をナンパーズは侮辱し、誘い文句のダシにしてナンパを継続するわけです。
その時のナンパのあしらい方がもう全人類一目惚れの確定演出です。
「(英語で)彼の魅力はあなたたちにはわからない。(ロシア語で)彼は彼の仕事において、困難に立ち向かう勇気を持っている。(フランス語で)諦めない精神力を持っている。(ギリシャ語で)そして、不可能を可能にするための実力を持っている。(イタリア語で)その実力を得るための努力は並大抵ではないことを私はよく知っている。(スペイン語で)私の知る限り彼以上に魅力的な男性はいないわ。」
と、口早に言うと、
「今、私がいったことを理解できたなら、あなた達につきあってあげてもいいわよ?」
と日本語で言った。
こんなの目の前で見せられたら惚れないわけにはいかないでしょ!!!!!
ナンパをあしらった後に、二美子ちゃんが恋する男性に「君なら私がなんて言ったのかもちろんわかるよね?」と声をかけます。
今回ばかりは少し太刀打ちできないかもしれない…
と言うのも、この男性は優秀なプログラマーなんです……
僕もプログラマーやってましたがここまで優秀じゃない!!!!!!!!!!
ですが推しの幸せを願うのが僕の使命。
次に可愛いシーンを紹介し、これを読んでいるみなさんも二美子ちゃん沼へと道連れしたいと思います。
かっこいいキャリアウーマン二美子ちゃんですが、かっこいいだけではありません。両刀使いです。
「じゃ……未来に行けるとしたら何年後に行きたいですか?」
突然の質問ではあったが、もともと考えていたことなのだろう、二美子はむしろ待ってましたと言わんばかりに、
「三年後!」
と、即答した。少し顔が赤い。
「彼に会うために?」
数は冷静に問いかけた。
「ええ、まぁ」
二美子は、悪い?とでも言いたげに顎をあげながら答えた。だが、顔はますます赤くなる。すると、流が、
「照れなくても、な?」
と、からかった。
「照れてません!」
と、反論するが、後の祭りである。流と高竹は顔を見合わせてニヤニヤしている。
別の紹介記事でも触れていますが、私は照れている女性が大好きなんです!!!!
しかも今回はただ照れているだけではなく、自分が脊髄反射的に発した言葉に対して後からじわじわと照れ始めるというオプション付きなんですね。
やはり照れてる女性は可愛い。。。
こちらのオプション料金は給料三ヶ月分となっております!!!!!
終わりに。
今回は高嶺のフラワーこと、二刀流キャリアウーマン清川二美子ちゃんについて語らせていただきました。
余談にはなってしまいますが、本作品は2018年に映画が公開されており、女優の波瑠さんが二美子ちゃんを演じております。
私的にはイメージぴったりすぎて、今週末はコーヒーを片手に映画鑑賞に勤しもうかなと考えております…!
本作品は他作品と比べて、泣きポイントが異なっていたり感じ方が変わったりなど、読者のバックボーンによる感じ方の差異が特別大きくなるのではないかと思いました。
現に私は第二話『夫婦』で大号泣してしまいましたが、私の友人は第四話『親子』だけ泣いたと話しておりました。
会話も多く、非常に読みやすい文体なので活字があまり得意ではない方も容易に読み切る事ができるのではないかなと思います。
興味が湧いた方はぜひ本作品を手に取ってみてください。