作品について。
今回紹介する作品はこちら、二宮敦人さんの最後の医者は桜を見上げて君を想う。
先日同作品の推しを紹介しましたが、今回は別の推しを紹介させてください。
前の推し紹介では旦那が病に犯されてしまった妊婦さんを取り上げさせていただきました。
彼女の強さだったりとか優しさ・母性に強く惹かれてしまい、これは是非とも紹介せねば!と躍起になってキーボードをカタカタしておりました。
物語構成で言うとこの推しが登場したのは第一話。
一話ごとにメインどころ以外の登場人物は変わるので、第一話で推しができてしまっては、続く第二話と第三話は不憫でならんと思い読み進めていましたが…
ここから先は長くなるのでこちらの導入部では一旦一区切り。
もし前回の推し紹介をまだ読んでいない方は是非是非。
悲劇・残酷…どんな言葉でも言い表せない辛さを背負った女の子。
ではでは、今回紹介する推しは第二話「とある大学生の死」に登場する川澄まりえと言う女子医大生です。
推し…うーん…推し?
まぁ、いいでしょう。一旦推しと言う言葉で進めます。
数回の浪人を経てようやく医学部合格!
そんな矢先に原因不明で治療法が確立されていないある病に犯されてしまいます。
少しずつ筋肉が衰えてしまい、やがて呼吸することもできなくなる…そんな病気です。
なんですかね、今回はここでまりえちゃんを好きになってしまった!みたいなものがなくて恐縮なのですが。。。
彼女の、自身の病との向き合い方、さまざまな葛藤。そして20前半でするには重すぎる決断。
僕は彼女の生き方や考え方全てに対して尊敬をしたんですね。
推しなんて言葉がとてもとてもチープで申し訳ないレベルです…
ただ…!悔やまれることこの上なきですが、この彼女の生き様とやらはどんななんだいって話をここで書いてしまうと、盛大にネタバレしてしまうのです。
普段ネタバレなんのその!と知らん顔して半分ネタバレのような記事を書いている私でも気が引けてしまうんですね!!!
前回の私の同作品の推し紹介でも記載しましたが、タイトルから彼女が亡くなるという話であることが確定しています。
ただ、どのようにして病に立ち向かったのか、どういった気持ちで亡くなっていったのかなど、彼女の、20代の少女の繊細な心の変化を余すことなく感じてほしいなと思いました。
病に犯された医者の卵が出した答えとは。
流石にこのままではこの記事は終わることができません。
たくさん彼女の葛藤が描かれています。その中で彼女の考え方がとても美しく、私は鳥肌が立ってしまいました。
一度このシーンをご覧ください。
私はみんなより先に死にます。
後で死ぬ人は、みんなの死を見届けるのが仕事。先に死ぬ人は、みんなに死を見せつけるのが仕事。そう、最近は思うようになりました。
みんなに見て欲しいんです。最後まで医者になりたいと願い続け、叶わずに死を選ぶ私の姿を。悔しくて、情けない、私の最期を。
音山先生に。医者である父に、母に。これから医者になる啓子に、吉田君に、同級生のみんなに。
それを見て……嫌な言い方ですけど……みんなに辛い思い、して欲しいんです。この世にはやり切れないことがあって、逃れられない苦しみがあるんだと知って欲しい。
はい。チキン肌&CRY。
彼女は自分の生き様と死に様を使って、まだ医者にはなれていないが、最後の最後まで医者に近づこうとしたわけですね。
そして自分の身をもってして、今医者である人・これから医者になる人に対し、一種のエールを送ったわけですね。
もし自分が同じ立場であったら、たとえ死を選んだとしても、自分の死が周囲の人や今後の医学を発展させてほしい!なんて考えは出ないわけです。
彼女は立派な医者であると、強くこのシーンで感じました。
人はきっとここまで強くなれない。けれでも強い信念があるとこうも強くなれるのだなと改めて実感しました。
終わりに。
いかがでしたか。
第二話はしんどい反面めちゃくちゃ考えさせられ、たくさん泣いたお話でした。
川澄まりえちゃんのようにとはいかないかもしれないけど、彼女のように生きたい、そして死んでいきたいなと感じました。
今回紹介していない部分でも彼女の強さが描かれているシーンはたくさんあります。
多すぎて紹介し切れない、そして紹介しきったとて…ネタバレやん!となってしまう状況でした…!
是非是非こんな人に読んでほしいなんてのはなくて、皆さんに手に取って、そして感じてほしいなと思える作品です。
よかったら本作品を手に取ってみてください!